人生は素晴らしい。
一年くらい前から、そう強く感じるようになった。
といっても、「生活が充実していて悩みがない」なんて程遠い状況だったけど。
実際、前に勤めていた会社を、正に一身上の都合で辞めようと決意した頃だった。
それから退職までの日々は内臓を痛めつけられるような苦悶の日々。
今でも、それはハッキリと覚えていて、僕に期待してくれた職場の人たちには、
感謝の思いと、それ以上に申し訳ない思いで、地に付けた頭が上がらない。

ともあれ、生まれてきて良かった。
苦悩と挑戦の人生を歩めることに感謝。
「君には感謝の心が欠けている」と厳しく叱ってくれた大先輩もいた。
正直、当時の僕にはそれが分からなかった。
二十歳をようやく過ぎた頃の僕は、人生なんて自分で乗り切れるもんだと息巻いていたから。
だけど、こんな風に人生の厳しさを知って、それを切り拓く素晴らしさを知った今。
これまでも、これからも、助けてくれ、育んでくれた人たちに心から感謝したい。

ところで、『天国への階段』。
白川 道(とおる)作の長編小説。
ジャンルは一応サスペンスになるのだろうけど、
内容は一流小説の条件ともいえる人生を描くことに成功している。
文庫本を古本で上・中・下と揃えたものの、各巻500ページの長編。
上巻を読むのに1ヶ月かかった。
中巻の半ばまで半月。
中巻の残り半分と下巻は1日で読み終えた。
実際、今さっき読み終えて、時間は午前6時。
推理ものらしく中盤から物語りは一気に加速してゆく。
登場人物の人生が激しくぶつかり合い、儚い火花を散らし、磨り減ってゆく。
サスペンスといっても謎解きの要素はほとんどない。
僕は只ただ、登場人物の人生を目で追いながら勝手に心を動かされている。

例えば3連休とかがあって、
人生の密度を確かめたいというときに、
是非手にとってみてください。

僕の父の推薦書。