10年前、Kの詩と共に冊子に入った僕の拙い創作文。
散文、詩、母への手紙などがごっちゃまぜに並べられてます。
ここでは、冒頭部分と、詩のようになってる部分を紹介します。


生きていく手紙


 生きてくってことは、歩いてくってことに似ていると僕は思う。その一歩一歩が明日へとつながる唯一の道になってくと思う。ある時は大きな道を、またある時はまがりくねった道を、またある時は道なき道を行く我らが人類。他の人と同じになんのを嫌がるくせに、あがいては同じ方向に進んでしまう僕ら。くだらない事に腹を立てても、すぐに忘れてゆく。いつも乗り越えたふりして忘れてはいないだろうか。今生きている一人一人に全ての可能性と感動が眠っている気がする。バカ面さげて、がむしゃらに、大した目的も無く18歳まで生きてきた僕ですが、いろいろ悩みました。分らないことが多過ぎて迷って、逃げ回ってきました。時には死にたいなんて思ったこともありましただ。でも生きてなきゃ何が待ってるか分んないよね。今日何かを始めても明日死ぬかもしんないし、何があっても何をやるにも数字にならない可能性があって、結局ありのままに生きるっきゃないんだね。そう思ったら現実社会って奴がちっぽけなもんだって気付くはず。難しく受け止めないで、たまにてきとーもいいじゃん。

<中略>

旅路の果て

平坦な道を歩いてく訳じゃない
何かを手にするまでつらぬく夢路
憤りを分散しながら
瓦礫の空を見上げんのです
虚栄の街を眺めんのです

分らない事を見ようとすると
いつだって邪魔が入るんだ
飽和した社会だから
たまに はみ出るってもんさ
生きることを担う必要はない
死の影を背負う必要もない
放心状態を認める余裕を持て
その叫びを己の力に変えてくんだ

“おいらの人生なんて旅路だ”
って言うほど格好いいもんじゃない
自分が生きてきた足跡だけがある
目に映るものは幻想に見えるけど
あくせく生きたことに嘘はないから
旅路の果てに在るという
生まれたまんまの階段を昇ろう
あるがままの荒野を見てやろう
現実の壁をぶち壊して
偽りの生命を歌う旅人
いつか笑えるから精一杯やるんだ


<中略>
……最後に、僕に生きる意味を与えてくれる全てのものにこの詩を贈ります。

生きていく手紙

何も終わっちゃいない
また一休み それもいいさ
果てしないから嬉しいんだろう
誰もかれも期待ハズレ
僕だってそうさ でも信じよう

今日もまた傷を抱えてきたんだ
無理はすんな そんなに強くない
焦んなくてもいいよ
同じように大地は動いてる

馬鹿にされたっていいよ
みんな不器用でいい
笑顔が卑屈にならないように
今日を生きてることは偶然じゃない

幸せや不幸せに順位はない
どっちだっていいじゃん
好きな方を選べばいいよ
人生に不正解も0点も無い

たとえ一人ぼっちになったって
君が正直すぎただけ
謙虚を勘違いの世の中だから
胸を張ってくれ 僕もいるから

無秩序が吹きつける社会に立ち
眠らない疲れを抱いて眠る
リアルな痛みが多過ぎるけど
もう少し耐えて頑張ろうか

自分をかざる物はいくらでもある
でもかざらなくたっていい
かざらない方がいい
空も海も太陽もあるがままにある

夢も希望も愛も自由も明日もある
この人生を歩んでいこう
未来への近道はない
ただ目の前を照らすだけ
いつか分かりあえるように
明日へとさまようんだ
生きてくんだ