歩き続ける人たちへ

10000日余りを歩んできたこの道
落とし穴にも嵌ったし、散々道にも迷った、だけど
とにもかくにも歩き続けた僕らの両足
苦しくたって息切れたって歩き続ける
そんな人たちの勇気に捧げる この詩(うた)

5月の陽射しはあんなに透き通るのに
目に見えるようなスモッグが胸を塞いだ
彼方に光るおぼろげな夢はとても頼りなげで
それを信じる僕らはいかにも浅はかに見えただろう

荒野に生える植物は何万年のそのあいだに
棘を蓄え、じっとその身を守ったという
常春の大地を目指した種は大海を越えない
希望を笑わない人間は その茨の道を選び続ける

気持ちはありがたいけれど
“頑張らなくていい”なんて聞きたくない
“無理はすんな”って気を利かせてくれる必要はない
“そのままでいいよ”と、温かな言葉も今は大丈夫
ただ前に進む執念に油を加えてくれればいい
あの遠く小さな光は近づく程に 大きくなってピントが合うんだ

両肩に乗っかってくるものがある
責任とか期待とかリスクとか今さらに生きる意味とか
右足よ自分を守ってくれ
左足よ誰かを守ってくれ
自分自分と大事にしすぎて左に旋回しないように
僕らは左足に力を込める
その足が本物かなんて心配いらない
前に進むという存在証明

あと何日この心臓は時を刻むのだろうか
細胞は生まれ死んで消えてまた産声を上げる
全ての流れに意味があるとしても それを見出している暇はない
無限の星屑の中で たった一つ選んで 僕らはここにいる
握りしめた種子の中にも小さな無限があって
その花を咲かせるために僕らは闘い続ける

例えば、路上に眠る小さな虫の亡がら
やるだけはやったさと誇らしげに映る
やり残したことがあるならそれも引き受けてみよう
僕らの背中にはまだまだスペースが残っている

ただ一つ分かってきたことがある
光源は僕らが開くべき扉で 辿り着く日をずっと待ってる
その先にはきっと自分だけの花が咲いている

峻厳な岩山に爪を立て、飢えと渇きに悶絶寸前
それでも走ることを止めずに、寂しさと虚しさに涙を流す
そんな友を持つことに誇ち、
嫉妬と無知にわき腹を突かれても、
だからこそと聡明な信念を磨く
3日も経たずに気持ちが揺らぐけれど、
4日目にはもう一度歩き始める
そんな僕の尊敬するあなたに、
そしてちっぽけな僕自身に、
伝えたい言葉はたった一言、
頑張れ!