『新年と信念』
文:浅田光義
どんなに優しく触れたって
まだ瘡蓋(かさぶた)も張ってなきゃ痛いな
それが心なら夜中までジンジンする
大人になって久しく経って
あの頃のもつれた悩みは解けたけれど
手元に残ったのは、いやいやどうして、
シンプルな問題児だ

2012年は世界中の元首がばたばた変わり
混沌の後に新しい秩序を呼ぶだろう
この脳細胞もいっそ総選挙を開いて
新しい元首を選び出せたらいい
大地はこんなにも広いのに
どうしようもなく固くて固くて
軟な爪先が刺さるような場所はどこにもない

直線の輪郭がやたら多いこの街で
どうしたら真っ直ぐに歩けるだろう
無駄なことに時間を使ってるから
無理なことばかりの路地に迷う
嫌になるくらい正確な因果の中で
この難局を未来に塗り替える戦略を立てる

誰かの魂が籠められた音楽を
ボリュームの限界で注ぎ込む
明らかに曲がるはずない方向に
右肘も左足も折れてるように見えるだろう
それでも立ち上がり折れた筆を揮う
ボロボロの設計図を胸にしまって

目の前にあるような幸せをさ
今は受け取れないって時だってある
肩掛けのバッグには大切なものが
少しだけ残ってるはずなんだ
それは確かめなくてもいいはずなんだ
心からの笑いがきっとそこにあるはずなんだ

この散らかった言葉を紡ぐものは
落ち着いて考えてみるとこういうものだろう
失い続けてる人生への反省と
希望のかけらを拾い集める作業
漸進的かつ平和的な革命への覚悟

自転車に空気を入れることから始めよう
ひと手間かけた食事から始めよう
お気に入りのBGM選びから始めよう
目覚ましをセットすることから始めよう
うがいや手洗いから始めよう
両親への手紙から始めよう
新聞を読むことから始めよう
アイロンをかけることから始めよう
始めたことを続けることから始めよう
バックミラーを直すところから始めよう
靴ひもを結び直すことから始めよう
自分だけの占いを信じることから始めよう
明日出来ることを今日始めよう
鏡の前で思いっきり笑うことから始めよう
世界に謙虚に嘯(うそぶ)くことから始めよう
止めることを躊躇うことから始めよう
それでも前に進むことから始めよう  

本年もどうぞ宜しくお願い申し上げますm(-_-)m