子どもたちと、昔は子どもだった友達に送る詩。

『ウソというシステム』
                           
僕たちはいつの間にか大人ってやつになった
もう膝小僧は擦り剥けてないし、お腹も出てきた
大人になって分かることはさぁ
世の中には思ってたよりも優しい人が多いってことと
人は、人は、大人はさぁ、
芸術的な程に巧妙に嘘を隠せるってことだよ
僕は、僕は、僕らはさぁ、
悲劇的な程に自然にそれを受け入れてたってことだよ

今だから言うよ
子どもたちは嘘をついたっていい
嘘つきは泥棒の始まりだなんて言う資格なんてさ、
今、日本に住む大人の誰一人持っちゃいないんだ
何も盗んだつもりはないんだけれどさ
見えたはずのものを、
絶対に守らなければならないものを
僕らは見捨てていたんだ
「お金に色はない」なんて言葉はさ
絶対に信じちゃあいけないよ
僕はそんなこと言えた義理じゃないけどな

ある人がネジを作り
ある人がボルトを作り
ある人が鉄板を運んで
ある人がそれを組み立てて
ある人がレバーをくっつける
ある人がまたある人に渡す
ある人がレバーを引くように頼んで
ある人がレバーを引いたら
ある人もある人もある人も喜んだ
ある人とある人とある人は死んだ
ある人は何も知らなかった
ある人は悪くないんだって
ある人が慰めた
ある人はまたネジを作り始め
ある人は……
……。
…。

…例えばそんな風に、
ウソというシステムは回る
ある人は皆、確信犯だったかもしれない。
ある人は皆、生活を守っていただけだったかもしれない。

授業料ってあるよね。
僕が入りたい学校はさ、
本当におかしな学校でさ、
僕のお母さんを人質に下さいっていうんだ
本当にふざけてるだろう?
でも初めはそんなこと知らなくてさ
僕は学校に通ってたよ
そしたらある日、地震が起きて、
僕はもうお母さんに会えなくなった
もうすぐ次の学期が始まるみたい
僕らはどうしたらいい?
高過ぎる授業料だったって、
耳元で叫んでくれないか。

この島国には
残念ながら石油が出ないんだ
レアアースも穀物も全然足りないんだって
資源の無い国だから、加工貿易やってんだって、
僕らは学んできた。
でもさ、気づいたんだ。
当たり前のことだけどさ。
人がいるじゃないかって。
都会の生活を支える農家の人も、
製造業を支える工場で働く人も、
笑顔を無料で 分けてくれる人も、
そんな人たちの口に札束ねじ込んでさ、
安全ですから何も心配しなくていいですよって
安全ですから 何の準備もいらないですよって
黙らせて、電力を得てきたわけだ。
誰かの安全を担保にするくらいなら、
そんな電力は薄汚れたもんだ。
停電大歓迎。
 こちとらアフリカ帰りだ。
おじさん、いろいろ調べたんだ。 
原発が無くても電力は足りるんだよ。
金のなる木には毒が眠ってるんだ。
22世紀の人類にだって手におえない毒が。
無色透明で無味無臭でおまけに半永久的な毒が。
それでもその木を切りたくないのさ。
それが大人なのさ。

下手くそな文章で俺もうんざりするよ。
勘弁しておくれ。
余り熱くなると、友達からもスルーされるんだよ。
大人になっても「うんこマン」みたいなレッテルはあるんだよ。
まあいいや。俺は「反原発マン」でいいや。
君たちが思う以上にかっこ悪いんだよ。

これだけは覚えておいて。
人を信じることは素晴らしい。
だけど、人が作ったシステムを信じると危ない。
一万人がほんの少しずつ嘘をついて作り上げたものは、
誰かが血を流すまでなっかなか見破れないから。
そしてまた信じられない速度で繰り返す。
戦争も原発も本当に良く似てる。
今からでも遅くはない。
ちょっとだけ耳を貸して。
ちょっとだけ目を開いて。
ちょっとだけ声を聴いて。
ちょっとだけ頭を使って。
一緒に戦おうな。
それまでは元気で。
やっぱりウソはなるべくつくなよ。


追伸:まだ会ったことないけど、僕の尊敬する友達が歌ってるから聴いて欲しい。