『燃ゆる月と静かなる太陽』

鍵のかかった箱の中に
その箱の鍵が眠っていて
そういう箱が折り重なって
積み上がって崩れ落ちてしまった
もうどうしたらいい?
さながら未解決な問題が
乱れた麻の様に
「今」という問題に結びついてるようです

どこに行きたくても
どこにも行けません
何を選べばいいのか
何に笑えばいいのか
何をしていても
何ともならない
それが僕だけならまだしも
あなたも同じような場所にいる

年の瀬に第九を聴くことを
いつからやめたのだろう
どうやらこの道は
歓喜に至る道ではないようです
あちこちで底が抜けて
その一つに落ちてしまった
そこには幸か不幸か
ちょうどいいハンモックがあって
僕らの魂は絡め取られてしまった
遠くレクイエムが聴こえてきます

才能とか経験とか
まして「努力の天才」だなんて
もう眩し過ぎて直視することすら
困難です
こんなへたれにいつからなってしまったのか
「僕が僕であるために
勝ち続けなきゃならない」と歌った人が
天国で嘆きのロックを奏でています
いつからかどこからか
時空が歪んでしまって、
階段を昇っていたのに、
こんなに低いところに降りています。
一つだけわかっていることは
この命がまだ諦めていないということです

アルバムに集めてきた
言葉たちが少しずつ
点滅を始めます
言葉たちがメッセージとなる。
この時がいつか来るから
ずっと言葉を探してきたんだ
君を救うために僕たちは集ってきたんだ
むしろ待っていたんだよ
君が落ちぶれることをじゃない
人生の真実に近づく時をさ

まずは小さいことを大切にして
自分が出来ることを一つ一つ認めていい
自分だけが出来ることなんて探すから
無駄に骨を折ってしまう
空に向かってその身を伸ばせない時は
足元の根を深く深く張って欲しい
誰も見ていなくていい
誰も見ていないからいい
意味のあることは、
大抵は不格好なことなんだ

見ることばかりに頼るから見失う
欲望は目から入ってくると
あれほど言ったじゃないか
耳を澄まして
心臓の音が聞こえるまで
呼吸がそれに重なるまで
宝物にしている
あの声が聴こえるまで

そういえば、
鍵の掛かった箱がどうとか
言っていたようだけど
かえって良かったじゃないか
箱は沢山あるんだから、
鍵が手元にあったって役には立たない
どれが当てはまるか探してるうちに
日が暮れてしまうよ
それよりなにより、
箱の中に鍵しか入ってないなら
そんな箱は捨て置けばいいさ
その箱に囚われた心ごと
ダスターシュートにダンクシュートだ

歩く歩道を逆走するような
難しい世の中だ
時は加速しながら
若さを奪い、希望を翳らせる
あの頃に戻りたいとか
東に沈む太陽が見たいとか
冬に桜を楽しみたいだなんて
わがままを言わないで
ハンモックから起き上がろう
それからそいつを切り裂こう
乱麻のごとき問題も
ついでに少しは解けるかもしれない

思えば…
僕が初めてつかまり立ちをしたとき、
きっと周りには温かな眼差しがあっただろう
すべての成長の過程に
須らく助けてくれる人がいた
それを忘れて「自立」なんてするから
あっという間に転んだんだ

依存しても頼ってもいい
助けを求めて教えを乞いながら
共に生きていくことが
弱い僕たちの強さ
割れることのないダイヤモンド

太陽の光を受けて
静寂の月が燃えている
燃ゆる月と静かなる太陽が
繋がって反射して
今を照らしている
明日、歓喜するこの道を